犬を飼っていても外壁塗装はできる

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犬を飼っているからといって、外壁塗装ができないということはありません。犬がいるお住まいでも、外壁塗装はできます。

ただし、先述の通り、外壁塗装が犬によくない影響を及ぼしてしまう可能性はあります。

具体的には、
・塗料の臭い
・工事の音
・多くの業者(人)の出入り

・普段と異なる生活環境(換気やエアコンの使用に制限が生じるなど)
といったことが原因で犬にストレスが溜まってしまうこともあるほか、場合によっては健康被害が生じてしまう可能性もゼロではありません。

とはいえ、上記のような原因は防ぎようがないというわけではありません。対策次第で、犬に与える影響を最小限に抑えることは可能です。
具体的な対策については、下記、2~5章にて解説してまいります。

 

外壁塗装の「契約前」にできる!大切な犬のことを考えた対策

この章では、大切な犬のために、外壁塗装の「契約前」にできる対策をご紹介いたします。

犬に配慮した対応をしてくれる塗装業者を選ぶ

塗装職人

犬に配慮した対応をしてくれる塗装業者を選ぶことが、最も重要な対策になるといっても過言ではありません。

なぜならば、犬への影響を最小限に抑える対策の多くには、塗装業者の協力が不可欠だからです。以下でご紹介する対策を確認いただければ、塗装業者の協力が不可欠であることは、想像に難くないでしょう。

言ってしまえば、塗装業者の協力さえ得られれば、犬に及ぼす影響を最小限に抑えた外壁塗装はかなり容易に実現できるはずです。外壁塗装についての知識が乏しい一般の方には、どうしても考えが及ばないところやイメージが沸かない点についても、塗装業者の協力さえ得られていれば、犬への影響を最小限に抑えるためにどういった対策をすればいいのか提案してもらえるため、大きく心配をする必要もありません。

犬に配慮した対応をしてくれる塗装業者かどうかの見極めは難しいところもありますが、まずは、「犬を飼っているが外壁塗装をしても大丈夫か」「外壁塗装中にどんな対策が可能か」など、気になっていることを、あれこれ質問をしてみるのが良いでしょう。その際、親身になって話を聞いてくれるか、具体的な対策の提案をしてくれるかなどから垣間見れるところも多々あるはずです。
また、「これまでに犬を飼っている家の外壁塗装をしたことがあるか」といった経験の有無も、犬に配慮した対応をしてくれる塗装業者かどうかを見極めるポイントの一つとなります。

※[補足]塗装業者と契約を結んだ後|工事前にやっておきたいこと
外壁塗装の契約時に営業担当者に伝えたことが、営業担当者の伝え忘れなどで、現場の職人に伝わっていないことがあります。そのため、犬のことなどで何等かお願いごとがある場合は特に、工事がはじまる前に、営業担当者に伝えたことが職人に伝わっているか、職人に直接確認しておくと安心です。

犬に与える影響の少ない塗料を選ぶ

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犬に及ぼす影響を最小限に抑えるためには、犬に与える影響の少ない塗料を選ぶということも、非常に有効な対策となります。

水性塗料がオススメ

塗料は「溶剤系塗料」と「水性塗料」と呼ばれる塗料に大別できますが、犬への影響を考えると、「水性塗料」を選ぶのがオススメです。
※一般的には、外壁塗装には水性塗料を使用します。ちなみに、屋根塗装・樋や庇(ひさし)などの付帯部の塗装には多くの場合、溶剤系塗料を使用します。

水性塗料がオススメするのには、下記2つの理由があります。

・理由① 臭いが少ない
溶剤系塗料と比べて、「水性塗料は臭いが少ない」という特徴があります。臭いが少ない方が、犬への影響が軽減できるのは間違いありません。
ちなみに、室内で犬を飼っている場合にも、塗料の臭いは気にする必要があります。なぜならば、外壁は室内に近いため、外壁に使用する塗料の臭いは、どんなに防いでいても窓やドアなどから室内に入りこんでしまうことがあるためです。

・理由② 健康・環境被害の原因物質とされるVOC排出量が少ない
VOCの排出量が少ないという点でも、水性塗料がオススメです。
VOC(揮発性有機化合物)とは、Volatile Organic Compoundsの略称。シックハウス症候群などの健康被害や、大気汚染などの環境被害を引き起こす原因物質の一つとされています。

 

■[参考]水性塗料と溶剤系塗料の比較

下記、さまざまな観点で水性塗料と溶剤系塗料の比較をしています。

水性塗料 溶剤系塗料
主成分 溶剤
臭い 少ない 強い
VOC排出量 少ない 多い
耐久性 製品によって異なる 製品によって異なる
塗料の密着性 溶剤系塗料と比べて弱い 強い
乾燥 特に梅雨時や気温が低くなる冬季は乾燥が遅くなる
(環境の影響を受けやすい)
 一定の時間で乾燥する
(環境の影響を受けにくい)
取り扱い 廃棄に注意が必要 危険物のため(引火性あり)、中毒、保管・廃棄等にも注意が必要
価格 低単価 高単価

 

ちなみに、溶剤系塗料には、「(強)溶剤塗料」と「弱溶剤塗料」があり、「弱溶剤塗料」ならば「(強)溶剤塗料」に比べて臭いを抑えることができます。屋根塗装や樋や庇(ひさし)などの付帯部では「弱溶剤塗料」を使うのが一般的です。

「F☆☆☆☆」の塗料を選ぶとより安心

塗料選びの一つの指標として、「F☆☆☆☆」も押さえておきたいところ。

「F☆☆☆☆」とは、建材のホルムアルデヒド放散の等級表示です。ホルムアルデヒドとは、シックハウス症候群の原因物質の一つとされています。
「F」はホルムアルデヒド、「☆」は多いほどホルムアルデヒドの放散が少ないことを意味しています。つまり、ホルムアルデヒドの放散が少ない順に、「F☆☆☆☆」「F☆☆☆」「F☆☆」「マーク表示なし」となります。つまり、「☆」の数が多い塗料ほど、よりホルムアルデヒドの放散が少ないということです。

「F☆☆☆☆」以外の塗料は使用できないというわけではありませんが、犬への影響を考えたときに、より安全なのは「F☆☆☆☆」の塗料であることは間違いありません。

※情報出典:一般社団法人 日本塗料工業会
※塗料の安全性について詳しくは、「一般社団法人 日本塗料工業会のHP」をご覧ください。

[補足]自然塗料には要注意

よく「自然塗料=安心」と思われている方がいますが、それは勘違いです。「自然塗料」という言葉のイメージから安全性が高いような印象を受けますが、実際のところ、自然塗料であれば安全というわけではないのです。

そもそも日本には、「自然塗料」に明確な基準は存在しません。そのため、たとえば、天然成分以外が含まれている塗料が自然塗料として販売されていることもあります。また、自然塗料の中にもホルムアルデヒドの放散が多い(2-2-2参照)製品もあるということも、頭に入れておきたいところです。

もちろん、自然塗料の中には安全な塗料も存在しますが、「自然塗料≠安全(自然塗料ならば安心というわけではない)」ということです。

そのため、自然塗料を使用したいという場合は、「自然塗料だから安全」と考えるのではなく、安全な塗料かどうかを、それぞれ自然塗料の製品ごとに見極める必要があります。とはいえ、どの自然塗料が安全性が高いのかを自身で判断するのは難しいため、塗装業者に相談をしてみるのが良いでしょう。

外壁塗装の「工事中」にできる!大切な犬のことを考えた対策

この章では、大切な犬のために、外壁塗装の「工事中」にできる対策をご紹介いたします。

犬を家に残したままでの長時間の外出は控える

外壁塗装の工事中は、犬だけを家に残したまま長時間の外出をするのは控えましょう。その理由は下記の2つです。

・犬が吠えないように対応をするため(吠え続ければ工事が中止となってしまう可能性もある)
外壁塗装中、見慣れない業者(人)の存在や工事の音などに反応して、犬が吠えてしまうことがあります。もちろん、すぐにおさまれば特に問題はありませんが、おさまらず吠え続けるようであれば、飼い主は吠えないように対応をする必要があります。
しかしながら、飼い主が家にいなければ、業者ができることは限られているため、犬が吠え続けてしまうことも十分に考えられます。吠え続けている状態は、犬にとってよくないことはもちろん、近隣への迷惑にもなるため、作業を中断せざるを得なくなります。場合によっては、その日の作業は中止しなければならなくなる可能性もあります。

・犬にいつもと違う症状(健康被害など)があらわれた時にすぐに対応できるようにしておくため
外壁塗装の影響で、犬にいつもと違う症状(健康被害など)があらわれてしまう可能性もゼロではありません。なんらかの症状があらわれた時、飼い主が家にいればすぐに対応ができますが、家にいなければ症状の変化に気づけず、対応が後手にまわってしまうことになります。
※犬にいつもと違う症状があらわれた時はすぐにかかりつけの病院へ連れていきましょう(6章を参照)。

昼間の作業中は犬を連れて外出するという対策も有効

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外壁塗装の工事をしている昼間だけ犬を外に連れ出すというのも有効な対策です。

「連日の外出はちょっと…」という場合、外壁塗装工事には、特に「音がする工程」「臭いがする工程」があるため、その工程の日に外出をするだけでも、犬への影響を大きく軽減できるはずです。

●犬を連れて外出するのがオススメな工程はいつ?
下記、音がする工程・臭いがする工程に犬を連れて外出するのがオススメです。

外壁塗装の工事工程(各工程にかかる日数) 大きな音・臭いがする工程
▼足場設置前の現場確認(1日・1時間ほど) ※立ち会いが必要(誰かが家に居る必要があります)
▼足場の設置(1日) 大きな音がする
▼高圧洗浄(1日) 音がする
▼下地処理(1日)
▼養生(1日)
▼塗装|下塗り(1日) 臭いがする
▼塗装|中塗り・上塗り(2日) 臭いがする
▼完了検査(1日・1時間ほど) ※立ち会いが必要(誰かが家に居る必要があります)
▼足場の解体(1日) 大きな音がする

※塗装工事は天候に大いに左右されるため、たとえば雨の日が続くなどした場合は、「各工程にかかる日数」が上記からは大きくずれることもあります。
※いつどの工事をするのか、また、音や臭いに気をつけるべきタイミングなどについて詳しくは、随時、塗装業者に確認をするのがオススメです。

 

外壁塗装中は犬をどこかへ預けるのも一つの手

外壁塗装の間、家族や親戚、知人、ペットホテルなどに犬を預けるという対策もアリです。そもそも家にいなければ外壁塗装の影響を受けることもないため、“犬に与える影響を抑える”という点では、最も有効な対策と言えます。

ちなみに、外壁塗装の期間は、2週間前後が目安です。数日といった短い期間ではないため、もしかすると犬によっては、長い期間どこかへ預けられることの方がストレスとなってしまうこともあるかもしれません。犬を預ける場合には、このあたりのことにも考慮して、検討するのが良いでしょう。たとえば、音・臭いがする工程の日だけ預けるといった方法を検討してみても良いかもしれません。

「室内」で犬を飼っている場合|プラスαの対策

エアコンが使用できるように養生をしてもらう

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知識として押さえておいていただきたいのは、エアコンの室外機を養生シートで覆ってしまうと吸排気ができなくなるため、外壁塗装の工事中(厳密には養生をしている間)ずっとエアコンが使用できなくなってしまうということです。
※養生とは、塗装工事をする際、塗装しない箇所を汚さないように養生シート等で覆うことです。

「いつも犬のためにエアコンを入れていて、室温を一定に保っている」といった場合には、外壁塗装中にエアコンが使用できなくなることが犬に相当のストレスを与えてしまうこともあるかもしれません。

外壁塗装の工事中もエアコンを使用するためには、
・エアコンの室外機を覆う養生シートに穴をあけてもらう
・エアコンの室外機の養生には、(通常の養生シートではなく)専用カーバー・メッシュカバーなどを使用してもらう
といった対策が必要となります。

外壁塗装中もエアコンを使用したいという場合は、養生の工程に入る前にエアコンを使用したい旨を塗装業者に伝え、上記のような対策をしてもらいましょう。

換気ができるように養生してもらう

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外壁塗装中は、自由に窓やドアを開けたり・閉めたりできなくなります。そのため、換気についても大きく制限されることになります。とはいえ、まったく換気ができないというわけではありません。換気のために窓やドアを開けることを想定して養生をしてもらえば、外壁塗装の工事中も換気ができるタイミングはあります。

外壁塗装中、まったく換気をしないのは、犬にとってはもちろん、人間にとっても良い環境とはいえません。また、換気ができない日が続くと、部屋の中の犬の臭いが気になってくる可能性もあります。そのため、換気ができるように対策をしておくことは、非常に重要です。

多くの塗装業者が換気のことを考えて養生をしてくれますが、念のため、養生の工程に入る前に、換気がしたいことを塗装業者に伝え、換気を想定した養生をしてもらえるようにお願いしておくと安心です。また、おかしなタイミングで窓やドアを開けると、臭いが室内に入ってきてしまう・水や塗料が家の中を汚してしまうこともあるため、実際に窓を開けて換気をする際には、いつ・どの窓を開けても問題ないか、タイミングと場所を塗装業者に確認するようにしましょう。

「外」で犬を飼っている場合|プラスαの対策

工事現場に犬が近づけないようにする

犬を外で飼っている場合、工事現場(外壁や足場など、実際に工事をしているあたり)には絶対に近づけないようにする必要があります。

具体的には、
・犬小屋を工事現場から離れた場所に設置する
・普段、犬をつなぐ紐を長くしている場合には、工事現場に近づけない長さにする
・普段、犬を庭で放し飼いにしている場合には、犬を紐でつなぐor工事現場に近づけないように柵などを設ける

・工事中だけ室内で飼う
といった対策が有効です。

そもそも、なぜ犬が工事現場に近づけないようにする必要があるかというと、工事現場は犬にとって大変危険なためです。工事現場に近づけてしまうと、塗料を誤飲してしまう、足場にのぼってケガをしてしまう、といった危険な目にあってしまう可能性があります。

危険以外にも、犬に塗料などが付着してしまうといったことも考えられます。また、犬に工事現場をうろうろされると、工事の邪魔になるといったマイナス要素もあります。

外壁塗装中は家の中で飼うという選択も

外壁塗装中、家の中で飼うというのも対策として有効です。

外にいると、塗料の臭いや工事の音をダイレクトに感じてしまうことになるため、より外壁塗装の影響を受けやすくなることは間違いありません。そのため、可能であれば、外壁塗装の間だけ、家の中で飼うというのは非常にオススメです。

どうしても外で飼うしかないという場合は、絶対に現場に近づけないようにすると共に、犬の様子に変わりはないか、いつも以上に気にかけて確認するようにしましょう。

[補足]犬にいつもと違う症状が見られたらスグに病院へ

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どんなに対策をしていても、なんらかのよくない影響が犬に及んでしまうこともあるかもしれません。

たとえば、犬に下記のような症状が見られる場合には、なんらかのよくない影響が犬に及んでしまっている可能性があります。
・うずくまって動かない
・嘔吐している
・皮膚に異常が生じている
・食欲がない
・フラフラしている
・怒りっぽくなった/気性がはげしくなった

上記以外にも、いつもと違う症状などが見られる場合には、すぐにかかりつけの病院へ連れていきましょう。

いち早く犬の変化に気づくためにも、外壁塗装中は、いつもと違うところがないか、より注意をして犬を見てあげることが重要です。

まとめ

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犬と一緒にお住まいで、外壁塗装を検討されている方に向けて情報をまとめて解説してまいりました。いかがでしたでしょうか。

犬を飼っていても、外壁塗装をすることは可能です。ただし、外壁塗装中に生じる塗料の臭いや工事の音などが、犬によくない影響を及ぼしてしまう可能性はあるため、外壁塗装をする場合は、犬に及ぼす影響を最小限に抑えるべく、しっかりと対策をすることが重要となります。

具体的な対策については、ぜひとも頭に入れておきたいところ。
・外壁塗装の「契約前」にできる対策
・外壁塗装の「工事中」にできる対策
・「室内」で犬を飼っている場合の対策
・「外」で犬を飼っている場合の対策
に分けて解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。